家を建てる - 分譲住宅

鬼瓦

鬼瓦

次世代へ継承される「鬼師」の匠の技

神社や寺、住宅などの棟端を飾り、屋根に雨水の浸透を防ぐ鬼瓦。日本建築物に欠かせない鬼瓦は、「鬼師」と呼ばれる職人の手仕事で一つひとつ生み出されています。 石州瓦の産地・石見地方では、瓦造技術の進化の中で腕を磨く鬼師の匠の技が今も息づき、伝統と進取をおりまぜたモノづくりを進めています。

建材としての機能と造形美を追求

日本建築の輪郭をつかさどる鬼瓦。その制作を担う「鬼師」の仕事場を訪れました。  石見銀山遺跡にほど近い、大田市水上町。株式会社シバオは、自社工場敷地内(100ha)で採れる白土を原料に、高品質で風化・塩害に強い石州瓦の製造で知られています。昭和18年の創業以来、芝尾金男会長自身をはじめ歴代鬼師が在籍し、県内外の社寺仏閣・公共施設・一般住宅の鬼瓦を制作してきました。本社工場の一角にある広々とした工房では、入社9年目の片山浩さんと新人の竹田真幸さんが、それぞれ作業に打ちこんでいます。

鬼瓦

鬼瓦の制作は、まず屋根の寸法と勾配を調べ、型紙を起こすことから始まります。成形した粘土を焼成すると10%程度縮むため、あらかじめ収縮率を考えながら鬼瓦の寸法を決めなければいけません。完成した型紙に沿って、粘土で成形-粗仕上げ乾燥→焼成と工程が進みます。以前はフィギア製作者だった片山さんは、建物のシンボルを創造する点に魅力を感じ、鬼師の道へ。「鬼瓦はまず建材の一部であり、その上で造形美が求められるので、寸法採りには細心の注意を払っています。やりがいがありますね」と、話してくれました。
石見の歴史と風土で培われた、強くて丈夫な石州瓦。地場産業と共に磨かれた鬼師の匠の技の情熱は、次世代へと継承されています。
鬼瓦

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取材協力/(株)シバオ 大田市水神町白坏658-1 Tel.0854-89-0201 http://www.shibao.co.jp

ルーツは悪運厄災をはらう魔除け

鬼瓦の起源は、7世紀中の飛鳥時代。寺院の「棟飾り瓦」として、蓮華の花を象ったのが始まりです。日本では古くから、住居の棟は天に最も近く、棟端を神様が降臨する場所として崇めてきました。棟飾り瓦には、魔除けや防災の願いが込められているのです。鬼瓦の語源となる鬼面≠ェ飾られるようになるのは、鎌倉末期から南北朝時代。1363年(貞治2年)、奈良の長久寺本堂の棟飾り瓦に「モコシノオモヲニ」と、初めて「ヲニ」が登場します。鬼は神様であり、天地を鎮め、悪を祓う≠ニ崇拝されていたのです。屋根の上から睨みをきかせる鬼面瓦を造り出したのが、瓦職人の人たち。その中で、鬼面や飾り瓦を専門に作る瓦職人を、いつしか鬼師≠ニ呼ぶようになりました。
 江戸時代になると、それまで城郭・寺院専用だった鬼面の棟飾り瓦は、一般の商家・民家にも広がりますが、隣りの家を睨む≠ニ敬遠されます。木造家屋に火の気は厳禁と、「水」という文字や雲や流水を造形したり、家内安全や商売繁盛を願って七福神や打ち出の小槌、家紋を表したりと、様々な造形の棟飾り瓦が作られるようになりました。しかし、鬼面から様変わりしても、棟端に神=鬼が宿るという信仰は、鬼瓦を通し今も日本人の心に深く根付いています。

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